はじまりの日

俺の故郷はエルフ村だ。
俺が生まれた頃には、まだ、村人が存在していた。

姉貴もエルフだが、姉貴の時代が一番にぎやかだったらしい。
初期村でPKも行われていた時代だ。
初めてリネージュ２をプレイする人で、MMORPGとか未経験な人にとっては、PKプレイはショックが大きいかも知れない。
ゲーム専用機でNPC相手にソロプレイしてばかりしていると、
悪意のあるプレイヤーの存在を知らないからだ。
少なくとも、俺のマスターは知らなかった…　orz

対人戦闘を楽しみたいと言うプレイヤーにとっては、当たり前のPK。
それは、PKプレイヤーの常識だ。

だが、MMORPG自体が初めてのプレイヤーの立場から言えば、対人戦闘がやりたくて始めたゲームじゃないので、迷惑行為以外の何物でもない。

それでも度重なる迷惑行為に対して、ただ標的になっているのも空しい。
お金払って嫌な思いをするゲームなんて、普通やらないだろ。
姉貴はヒーラーだから攻撃には向かない。
逃げて、隠れて、PKKの支援して…でも、プレイを妨害されているのは変わらない。

で、「一矢報いたい」と言う姉貴の要望で俺が生まれたんだ。
だから、２００５年の秋頃誕生。村デビューとしては随分後だった。

成長途中でも、時々PKされた。PKKしに行って、PKKKされる。
まあ、普通な風景かも知れない。
PKKクランにも所属してPKクランと戦えるよう環境を整えていった。
だが、PKが出なければPKKも出来ない。
PKが出たからと言っていつまでもそこにいる訳も無い。
気がつけば、後ろから撃たれたり、振り回されたり、結局、ＰＫ側が主導権を握る事が多い。
まして、PKPTなんて、ソロで立ち向かったら完璧に餌食になる。

一体、どれほどの心あるプレイヤーが無差別や粘着ＰＫの犠牲になって、リネージュ２の世界を去っていったのだろうか。（他の鯖では、ドビ鯖より、もっと酷かった所があるらしいので、そういう意味ではドビ鯖は、まだ平和な方かも知れない）

←当時、ドビ鯖最大の某ＰＫクランのＰＴ

相手は５０代～６０代位（７０代もいたかもｗ）で、俺は４０･･･ソロで勝てるなんてありえない。もちろんレベリングもした。

５０代も半ばになり、目標としていたＰＫのレベルとほぼ同じになった頃･･･ふと思う。



だが、俺の遊びたいゲームってこれか？

ふむ･･･何やってんだ？俺は･･･
相手にいいように振り回され、時間の浪費を強要されている感覚。
確かに仲間とＰＫ狩りはスリルもあり、高揚感もある。
だが、それが目的でマスターはゲームを始めたわけではない。
分身である俺にも、その心は伝わる。


　↑映画みたいだろ？

　
　↑３０代頃の風景。

美しい世界が広がっていて、そこには見たことも無い（どこかで見たような、似て非なる存在）モンスターが闊歩し、それを村人や剣士、勇者が討伐する。
それだけでも心ときめくシチュエーションじゃないか！

そんな美味しい部分を目の前にぶら下げられて、ひょっとしたら、ＰＫみないな迷惑プレイヤーはいなくなるかも知れないとか、個人用ワイバーンが実装されるかも知れないと言う幻想とかいろいろな期待を胸に、ズルズルと続けてしまった感がある。


<br />